倉庫内で、万が一火災が発生した場合に、すぐに消火作業ができるよう、倉庫業法において消火器具の基準が設けられています。

ここでは、倉庫に設置する消火器具の基準について解説いたします。

この基準は、倉庫業法施行規則で次のように定められています。

「消防法施行規則第六条に定めるところにより消火器等の消火器具が設けられていること。この場合において、倉庫の延べ面積が150㎡未満であるときは、これを延べ面積が150㎡の倉庫とみなして、同規則第六条の規定を適用する。」

つまり、倉庫業において、消火器具の基準は消防法施行規則第六条の基準ということになります。

この消防法施行規則第六条では、建物の種類や取り扱う物品の種類ごとにどれくらいの消火器具を設置すればよいか細かく定められています。

それでは実際に、倉庫にはどれくらいの消火器具を設置すればよいのでしょうか?

消火器具の数を求める計算式は以下の通りです。

延べ面積または床面積÷100㎡=必要な消火器具の能力単位の数値の合計数

※主要構造部が耐火構造で、かつ壁・天井・屋根の倉庫内に面する部分の仕上げに難燃材料を用いている倉庫に関しては、200㎡となります。
※能力単位は消火器の表面に記載されています。倉庫においてはAの単位を用います。
消火器に「A-1」とあれば、倉庫において使用する場合は「能力単位が1」ということになります。

この基準は基本的な基準です。

少量危険物・指定可燃物・変圧器など・ボイラー室などがある場合には、別途基準があります。

各場合の計算式は以下の通りです。

【少量危険物】
貯蔵または取扱い最大数量÷指定数量(危険物の規制に関する政令の別表第3)=必要な消火器具の能力単位の数値の合計数

例えば、ガソリンの場合でご説明します。

ガソリンは、危険物の規制に関する政令の別表第3によれば、第1石油類の非水溶性液体で指定数量は200Lです。

1000Lのガソリンを取扱うならば、

1000÷200=5

能力単位の総計が5となるように消火器具を設置しなければなりません。

【指定可燃物】
貯蔵または取扱い最大数量÷指定数量(危険物の規制に関する政令の別表第4)=必要な消火器具の能力単位の数値の合計数×50

例えば、紙くずの場合でご説明します。

紙くずは、危険物の規制に関する政令の別表第4によれば、指定数量は1000㎏です。

50t(50000㎏)の紙くずを取扱うならば、

50000÷1000×50=1

能力単位の総計が1となるように消火器具を設置しなければなりません。

【変圧器など電気設備がある場所】
100㎡以下ごとに1能力単位

【ボイラー室など多量の火気を使用する場所】
25㎡以下ごとに1能力単位

ここまでは、どのような種類の倉庫に何をどの程度保管すれば、最低限消火器具はいくつ必要になるかという解説です。

ここからは、そもそも消火器具とは一体何か?という解説です。

消火器具は大きく、消火器と簡易消火用具に分かれます。

消火器とは、よく見かけるあの消火器のことです。

では簡易消火用具とは何でしょうか?

簡易消火用具とは、以下の用具になります。

① 水バケツ
② 水槽
③ 乾燥砂
④ 膨張ひる石
⑤ 膨張真珠岩

これら用具は消火器の代用とすることができます。

その際の消火器具の能力単位は以下の通りになります。
※原則として、消火器具の必要な能力単位が2を超える場合は、その半分以上を簡易消火器具で代用することはできません。

【能力単位0.5】
乾燥砂(50L以上)1塊+スコップ

【能力単位1.0】
水バケツ(容量8L以上)×3個
膨張ひる石または膨張真珠岩(160L以上)1塊+スコップ

【能力単位1.5】
水槽(容量80L以上)1個+消火専用バケツ(容量8L以上)×3個

【能力単位2.5】
水槽(容量190L以上)1個+消火専用バケツ(容量8L以上)×3個

以上、倉庫に設置する消火器具の基準の解説です。

必要な数の消火器具は、各階ごとまたは対象の20m以内に設置する必要があります。

なお、これらの基準は、一類倉庫~三類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫に該当する基準となります(水面倉庫以外の倉庫ということになります)ので、ご留意ください。